
ロゴ制作をご検討中の皆さま。こんにちは。
フリーランスのロゴデザイナーの井上カツオ(@katsuologo)です。
今まで200件以上のロゴ制作実績があります。
この記事ではクラウドソーシングでコンペで募集をかけるか迷っている人のためにこんなお悩みを解決します。
- コンペで募集をかけるべきか迷う
- コンペに参加する人ってどんな人?
それでは順番に解説をしていきます。

人によっては一応のメリットはあると思うので全てを否定するつもりはありません。あくまでひとりのデザイナーという立場からの解説です。
目次
結論:「コンペはロゴの完成度が圧倒的に低くなる」
まずは結論からお伝えすると「クラウドソーシングのコンペはロゴの完成度が圧倒的に低くなる」からです。
なぜ完成度が低くなるかについては以下の3つが主な理由となります。
- 見込み利益が低すぎる
- コミュニケーションが少なすぎる
- 募集者の好みに偏りすぎる
その理由について順番に解説していきます。
理由1:見込み利益が低すぎる
募集する側としてのデザインコンペの最大の魅力は、たくさんのアイデアが集まるということです。また、比較的低価格でロゴが手に入ることも魅力のひとつです。

ただし、デザイナーから見ればその点が大問題です。
例えば3万円で募集をかけて、60案の応募が集まった場合、このような計算で考えられます。

募集側からしたら3万円の案件かもしれませんが、デザイナーから見れば500円の案件です。
「では金額を倍に増やしたら品質が上がるんじゃないか?」
と思うかもしれませんが、倍の6万円にしても1,000円。さらに採用金額が増えれば応募者も増えるので、ひとりのデザイナーとして見込みめるのはどちらにせよ数百円程度です。
※実際にはクラウドソーシングの手数料も差し引かれるので、もっと低い見込み金額です。

使える時間は5分程度というところ、、。
この価格では生計を立てられません。
つまり応募できる人の多くは、売り上げを度外視したデザイン初心者や学生の腕試しの可能性が極めて高いということです。

アイデアが盗まれたり、盗まれたアイデアが採用されたりするトラブルは薄利が原因とも考えられます。

募集側と応募側の価格差に対する熱量の差も生まれてしまう可能性が高いです。
理由2:コミュニケーションが少なすぎる
理由1とも関連していますが、この案件に5分しかリソースを使えない計算なら、丁寧に質問を繰り返して、ご要望の真意を深掘りするような時間は全くありません。実際に完了したコンペのページを見ても、質疑のやりとりは無く圧倒的にコミュニケーションが足りてないと感じます。

ロゴデザインとは企業の信念や特徴のようにカタチのないものをカタチにするものなので、ロゴデザインにとっては、作り始める前のコミュニケーションこそ一番重要な工程なのです。
また、コミュニケーションが少ないと必ず意思疎通のズレも起こります。後から気がついても手遅れです。
ロゴデザインはコミュニケーションが一番重要
理由3:募集者の好みに偏りすぎる
デザインコンペで最も問題点だと考えているのが「募集者の好みに偏りすぎる」ということです。
「お金を払っているんだから、募集側が好みで選ぶのは当然じゃないか!」
と思うかもしれません。しかし、デザインをする上で一番大切なのは顧客の目線に立てているのか?ということ。
自分自身を客観的に捉えることは困難です。だからプロがいます。顧客の目線に立てなければ、目標を達成できないどころか、既存の顧客が離れてしまうかもしれません。

顧客不在のデザインなら、ただの自己満足の可能性が高いです
まとめ
コンペ募集側は、このような意図があるのではないでしょうか?
- たくさんのアイデアの中から良いものを見つけたい
- デザイナーたちに競争させて、より品質の高いデザインを得たい
しかし、その狙いは本当に正しいのでしょうか?
コンペという仕組みは、募集側と応募側の双方にとって本当にWinWinなのでしょうか?
少なくとも一人のデザイナーの立場からコンペを見るとコンペにメリットは感じられません。それがボクのコンペに参加しない理由です。
ロゴデザインを依頼する方法は、コンペで募集する以外にもいくつかあります。
詳しくは以下の記事で解説しています。
ということで、この記事ではボクがコンペに参加しない理由について解説をしました。