ロゴ制作をご検討中の皆さま!こんにちは。
フリーランスのロゴデザイナー井上カツオ(@katsuologo)です。
200件以上のロゴ制作実績があります。
皆さまは「ロゴ」と「シンボルマーク」の違いについてご存じですか?
結論から言うと、「シンボルマーク」とは事業を図で表現したもので、「ロゴ」は「ロゴマーク」の略で、シンボルマークや、ロゴタイプ(社名などの文字)の組み合わせを総称したものです。他にも事業の理念をキャッチフレーズ化した「タグライン」というのも存在します。
なんだかややこしいですね、、。
この記事ではロゴ制作をご検討中の人のためにこんなお悩みを解決します。
- 用語が分からなくてデザイナーに指示を出せない
- ロゴについての基本的な知識を知りたい
- 自社にとってどんなロゴがふさわしいのか知りたい
それでは順番に解説をしていきます。
ロゴの構成要素3つ
まずはこちらのロゴの全体図をご覧ください。
- シンボルマーク
- ロゴタイプ
- タグライン
基本的な構成要素は上記のとおりです。
それでは順番に解説していきますね。
01 シンボルマークとは?
先にも解説しましたが、シンボルマークとは企業や団体、事業、サービス、商品などを象徴する図式のことです。
シンボルマークの主な役割
シンボルマークには主に3つの目的があります。
- 企業理念や事業のウリ、世界観などの印象を効果的に伝える
- 図形を通じて記憶に残りやすくする
- 機能性(汎用性)を高める
上記の3つを解説します。
1つ目はシンボルマークは文字よりもデザインの自由度が高いので、イメージを伝えるのに適しています。
2つ目の記憶に残りやすいという点については以下をご覧ください。
多くの方が画像右側の「トクホマーク」に見覚えがあると思います。画像左側のように文字だけで表記された「特定保健用食品」よりも右側のシンボルマークがある方が記憶に残りやすいのです。
そして3つ目の機能性(汎用性)について。汎用性の意味とはさまざまなものに適用できること。ロゴはいろんな媒体で使われますので、文字だけのロゴでは扱いづらい状況でもシンボルマークと組み合わせて柔軟に適用できます。
シンボルマークがシンプルなものが良いと言われる理由のひとつです!
- シンボルマークは伝えたい情報を効果的に伝えられる
- 文字よりシンボルマーク(図式)の方が記憶に残る
- シンボルマークがあると便利
02 ロゴタイプとは?
ロゴタイプとは企業や団体、事業、サービス、商品の書体を含めた名前のことです。
ちなみに競馬で「ロゴタイプ」という馬がいますが、ぜんぜん関係ありませんよ!
ロゴタイプの主な役割
ロゴタイプには主に2つの目的があります。
- 名前を覚えてもらう
- 企業理念や事業のウリ、世界観などの印象を伝える
上記の2つを解説します。
まずは名前を覚えてもらうのが、ロゴタイプにとって最も重要な役割です。
名前を覚えてもらうには「印象を伝える」ことだけでなく「読みやすさ」も重要です。なので、最近のロゴデザインのトレンドとしてはロゴタイプだけのものではなく、シンボルマークとロゴタイプで役割を分担して設計することが多いです。
シンボルマークと役割分担をすることで読みやすいロゴになります。
余談:日本の大企業は「ロゴタイプのみ」が多いって本当?
日本を代表する企業はこちらのサイトで確認できます。
▼ Best Japan Brands 2020 Rankings
https://www.interbrandjapan.com/ja/bjb/japan_brands/2020.html
ざっと見ると、たしかにロゴタイプだけの企業が多いように感じます。ただし、だからといって御社も「ロゴタイプのみ」にすべきかは別問題。どんな組み合わせが相応しいかついては後述していますので、そちらをお読みください。
- ロゴタイプとは書式を含めた名前のこと
- 印象よりも可読性が大切
- シンボルマークと組み合わせるかはじっくり検討する
03 タグラインとは?
タグラインとは企業理念やサービスの特徴などを端的に表した文字のことです。
タグラインの主な役割
タグラインの目的はたった1つです。それは簡潔な企業スローガンを伝えること。
タグラインの一例を挙げると、ニトリの「お、ねだん以上」や、日立製鉄所の「Inspire the next」などです。
CMで使われていて、なぜだか社名と一緒に覚えてしまいますね!
シンボルマークやロゴタイプと組み合わせて使うことで、企業スローガンを明確に伝えられます。
余談:タグラインとキャッチコピーの違い
キャッチコピーとタグラインの違いは、以下のような違いになります。
- タグラインとは:企業の普遍的な信念を伝えるのが目的
- キャッチコピーとは:商品やサービスを販売促進することが目的
ロゴと併用するタグラインはかんたんに変更できません。タグラインを考える時は、企業としてブレないスローガンを掲げることをオススメします。
- タグラインとは簡潔な企業スローガン
- 企業の信念を言葉で表現する
オススメするロゴ要素の組み合わせ
それでは次に「自社にとってどの組み合わせが良いんだろう?」という疑問にお答えします。
組み合わせは以下の4つのパターンに分類されます。
- シンボルマークのみ
- シンボルマーク + ロゴタイプ + (タグライン)
- ロゴタイプ + (タグライン)
- 文字・図形一体型ロゴ
それぞれ解説していきます。
あくまで絶対ではありませんので参考程度に読んでください!
01 シンボルマークのみ
すでに広く認知されている世界的グローバル企業はシンボルマークのみのロゴを使うことがあります。例えばAppleやTwitter、Instagramなどです。ですが注意していただきたいのは、これらの企業は以前はシンボルマークとロゴタイプを使用していたという点です。逆に言えば知名度を極めたからこそできる構成とも言えます。
社名やサービス名をを知ってもらうためにはロゴタイプと組み合わせることをオススメします。
- 既にブランドの認知度が高いロゴ
- 世界的なグローバル企業
02 シンボルマーク + ロゴタイプ + (タグライン)
シンボルマークとロゴタイプのふたつの特長を活かすことで、さまざまな状況に合わせてロゴを活用できますので、この組み合わせは万能型と言えます。
その二つに加えて企業のスローガンがあればタグラインとして3つを組み合わせるのもオススメです。
- 印象を残し、名前もしっかり覚えてもらいたい
- 組み合わせ次第でいろんな状況に対応できるロゴが欲しい
03 ロゴタイプ + (タグライン)
目的によってはシンボルマークの存在がデメリットになる可能性があります。例えば、いろんな印象のデザインを提供するデザイン会社や、複数のブランドを抱えている会社など、自社のイメージは抽象化させたい場合もあります。そんな時はあえてシンボルマークは作らずに、ロゴタイプだけで表現するのも選択肢のひとつです。
つまり抽象的なデザインは多様性やニュートラル(中立性)を表現しているとも言えます。
- 複数のブランドを展開する会社(ブランドの印象を抽象化したい)
- イメージを提案する会社(自社の印象はニュートラルな状態に保つ)
- 名前だけを覚えてもらいたい
04 文字・図形一体型ロゴ
今までシンボルマーク、ロゴタイプ、タグラインの3つの構成要素をご紹介しました。実はまだ、もうひとつの組み合わせも存在します。それが文字と図形が一体となったロゴです。
シンボルマークよりも自由な表現が可能ですので、より印象的なロゴに仕上がりますが、その反面でシンボルマークとロゴタイプのように組み合わせを柔軟に変えることができないため使用する媒体に注意が必要です。
また理念を伝えることよりも共通言語として機能させたい場合もあります。例えばトクホマークのような認定マークです。そのような場合も、一体型ロゴを使用することをオススメします。
- 世界観を強く表現したい
- 商品パッケージや看板、Tシャツなどのロゴ
- 認定マークのロゴ(共通言語の役割)
おまけ:似てるけど違う。ロゴとアイコンとピクトグラムの違いを解説
まずはそれぞれの目的と使われる場所を比較してみます。
- ロゴとは:企業やサービスの理念を象徴
- アイコンとは:似たもの同士を区別しやすくする
- ピクトグラムとは:言葉を超えた共通言語
アイコンとピクトグラムについて解説していきます。
アイコンとは
スマホのボタンやSNSのプロフィール画像がアイコンと呼ばれていますが、アイコンとは似たもの同士を区別しやすくするための図式のことです。
もちろんスマホのようにロゴアイコンとしてを使う場合もあります!
ピクトグラムとは
ピクトグラムとは文字を使わずに情報を伝えるために作成されたデザイン記号のことです。非常階段やエレベーター、トイレのマークなどがそれです。
その国の言語が分からなくても伝わるように設計されたものなので、海外旅行の時に助かりますよね。
東京オリンピックでも話題になりましたね!
まとめ
最後にこの記事をおさらいします。
- ロゴには3つの構成要素がある
- 3要素はシンボルマーク、ロゴタイプ、タグライン
- 組み合わせ次第で特徴が変わる
ということで、この記事ではロゴに関連した基本用語の解説をしました。
ロゴづくりのヒントにしていただけたら幸いです!