デザイン

デザイン依頼の失敗事例から学ぶ!『ちゃぶ台返し』案件の反省点と対策

全国のデザイナーの皆さま。こんにちは。
フリーランスのデザイナー井上カツオ(@katsuologo)です。

フリーランスのデザイナーとして3年目を迎えました!

フリーランスのデザイナーにとって、キャンセルは死活問題。悲しいことですが、いくら最善を尽くしていても、全ての案件がゴールまで辿り着けるわけではありません

この記事では自分の失敗経験をもとに、反省点と対策について考えていきます

今回は、他のデザイナーの皆さんも経験が多いであろう「ちゃぶ台返し」編です。

ちゃぶ台返しとは?

はじめのご要望を後からひっくり返されてしまうこと

この記事で解決できるお悩み
  • フリーランスになりたいけどトラブルが心配
  • 実際にちゃぶ台返しで困っている

こんな名言があります。

ベンジャミン・フランクリンの言葉

賢い者は、他人の失敗に学ぶ。 愚かな者は、自分の失敗にも学ぼうとしない。

ぜひボクの失敗(他人の失敗)を無用なトラブルを防ぐヒントにしてください!
では早速、事例をご紹介します!

とある整骨院様の世代交代

ボクがまだロゴデザイナーとしてスタートしたばかりの頃の話です。

兵庫県で30年以上続いている老舗の整骨院様から、息子様(20歳)への世代交代のためにリ・ブランディングしたいというご要望のもと事業主様から直接ご依頼をいただきました。

既存のお客さまはご高齢者が多いけど、息子様のために若者向けのスタイリッシュなロゴデザインがほしいとのこと。

ご要望をもとにスタイリッシュなデザインに仕上げたのですが、その後の返答は「やっぱり親しみを感じるロゴが良い」と、ご要望をひっくり返されてしまいました。

その後もご要望は二転三転してしまい、的を射ることができぬままキャンセルとなってしまいました。

このケースの3つの反省ポイント

このケースの反省点は主に3つあると考えています。

  1. 採択者は誰なのか?
  2. そもそもデザインは誰のためにあるのか?
  3. 専門家としての意識

それぞれ解説していきます。

1. 採択者は誰なのか?

ご要望が二転三転した原因は事業主様(お父様)と息子様との間に根本的なイメージのズレによるものでした。その溝が埋まらぬままでは、目指すべきゴールは絶対に決まりません。そして意見が割れたときに最終的に誰が決定権を持ち、採択するのかを決めておかないと、プロジェクトは延々と終わりません。

ですのでこの案件を機に、着手する前には必ず「デザインの採択者が誰なのか?」を明確にしておく必要があると考えるようになりました。ほとんどの場合、採択者は事業主様ですが、今回のケースでは特殊なケース(息子様)だったということに全く気付けなかったのが、今回の問題のひとつです。

採択者が不明瞭が理由でトラブルになりかけた事例は他にもあります。

例えば、スタッフ皆で意見を出し合って作り上げたいというNPO法人様。皆で意見を出し合うことでより良いものが生まれるのは理想なのですが、現実は収拾が付かなくなる場合が多いです。そんな場合でも最終決定者の一人を決めておけば代表者としての責任感が生まれ、ひとつのゴールに向かって進むことができます。

実はデザインが苦手な事業主様は、代理として奥様を採択者にすることもあります!

2. そもそもデザインは誰のためにあるのか?

より根本的な話しなのですが、この案件では「デザインは誰のためにあるのか?」が根本的に抜けてしまっていました。

デザインとは情報伝達手段のひとつです。

「誰に」「何を」伝えるのか?この最も根本的な「誰に」が曖昧なままでした。この「誰」とはもちろん整骨院のお客様のことです。

ボクも今までに何度か客として整骨院に通院したことがあります。世代交代とはいえ、どの整骨院でも老若男女いろいろなお客様が来院されるはずです。さらに言えば、今までの地盤を継ぐ訳なので既存の顧客層であるご高齢者の方々を無視して良いはずはありません

若者向けのスタイリッシュなロゴデザイン

このご要望は狙いと合っているのか?整骨院を選ぶ基準として「スタイリッシュさ」を求めるお客様がどれだけいるのだろうか?ターゲットを見誤れば、既存の顧客が離れてしまいます。顧客設定を鵜呑みにしてしまったのはボクの反省点です。

他の案件でも、顧客視点に立てなくて失敗する案件はこんな事例があります。
例えば、オシャレなデザインがご希望の葬儀屋様。自分のペットをシンボルにしたい不動産屋様。

事業主様の好みでデザインを決めること。それが悪いとは思わないですが、顧客の目線も検討材料に取り入れないのは非常に勿体ないと思うのです。

ロゴデザインは、事業の追い風になる重要なツールです!

3.専門家としての意識

当時のボクは顧客のビジネスプランに口を出すのは差し出がましいと思っていました。いや本当は、先方さえ気に入ればそれで良いのだと安易に考えていたのかもしれません。

けれど、それで専門家(プロ)とは呼べるのか?

ボクはこの案件を通じてそう思うようになりました。

ボクが知っている専門家とは、顧客の想いを汲み取りつつも、しっかりプロとしてのアドバイスができる人です。

もしご要望と期待する成果にズレがあるなら、顧客が鬱陶しいと思うことでも専門家としてしっかりと自分の意見を伝えるべきなのだと考えています。

お客様と意見が対立するかもしれませんが、より良いものになるきっかけになるなら、お伝えする価値はあるのではないでしょうか?

まとめ

いかがでしたか?同じような経験をされたデザイナーさんもたくさんいるのではないでしょうか?

ちゃぶ台返しの対策をまとめると、以下の3点だと考えます。

ちゃぶ台返しを避けるために
  • 採択者を明確にする
  • 顧客を基準に考える
  • 遠慮せずしっかり自分の意見を伝える

何よりもヒアリングの段階でしっかりと詰めておくことが大切ではないかと考えています。
この失敗談が、無用なトラブルを防ぐヒントになれば幸いです!
ではまたー!

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