
法人の皆さま。こんにちは。
フリーランスのロゴデザイナーの井上カツオ(@katsuologo)です。

今までに200件以上のロゴ制作実績があります。
最近よく聞くブランディングという言葉。なんとなく分かっているけど、それを説明できる人は少ないのではないでしょうか?
ブランディングと深い関わりがあるロゴデザイナーとしての解釈をもとに、ブランディングの効果や魅力を伝えたくてこの図解記事を書きました。
この記事では主に、ブランディングについてザックリ理解したい人のためにこんなお悩みを解決します。
- ブランディングって難しくてよく分からない
- どんな効果があるのか知りたい
- 自社に必要なのかを知りたい
それでは解説をしていきます。
目次
そもそもブランディングってなに?
まずはブランディングって何なのか?について解説していきます。
ブランド品といえば、多くの方が「高級ブランド」や「スポーツブランド」をイメージされるのではないでしょうか?
ですが、本来の意味でのブランドとは高級品に限らず、会社や商品が持つイメージのことですので、実はたくさん溢れている身近なものなのです。
そして、ブランディングとは顧客に自社の商品やサービスを選んでもらうための施策のことを言います。

ブランドは特別なものではなく、身の回りに溢れているもの。そのブランドイメージを戦略的に設計していくのがブランディング。
なぜブランディングが重要なのか
なぜブランディングが必要なのか?について。結論からお伝えすると、商品やサービスの価値(魅力)を高めていくにはブランディングが重要ということになります。
例えばこんな一例を紹介します。

このように全く同じ材質やカタチ、味のモノがあったとき、少し高くても有名ブランドのものを選んだことはありませんか?
上記ではつまり、右側はブランド力の低い商品、左側はブランド力の高い商品になります。
「同じものなのに、なんで高い方を選ぶんでしまうんだろう?」
一見、その判断は合理的でないように見えますが、これこそブランド力というチカラが働いた結果の消費者の判断です。
それでは次に人がモノを選ぶ基準は何なのか?についてを解説していきます。
顧客が商品やサービスを選ぶ理由
人はものやサービスを選ぶとき、価格だけではなく「総合的な価値」で判断しています。
判断材料となる価値感を分類すると以下の2種類に分けられます。
- 機能的価値(数値で比較できるもの)
- 情緒的価値(感情に訴えるもの)
つまり、このようなイメージです。

このように、人は2つの視点から判断して、モノやサービスを選びます。
例えば炊飯器を例に考えてみます。
2つに分類すると以下のとおりです。
- 価格
- 加熱方式
- 容量
- 炊き上がり機能の種類
- ブランドの安心感
- CMの印象(美味しそう)
- 他者の評価(レビュー)
つまり、情緒的価値を高めることがとても重要で、それにはブランディングの考え方が役に立つというワケです。

- 人は「機能的価値」と「情緒的価値」の2つの視点で価値を判断している
- ブランディングとは「情緒的価値」を高める施策のこと
ブランディングの効果
次にブランディングには具体的にどんな効果があるのか?について解説していきます。
効果1:値下げ競争に巻き込まれない
ブランド力は目に見えないものですが重要な資産です。商品やサービスの総合的価値を高めることで選ばれる理由になります。その結果として競合他社と価格競争する必要がなくなり、利益を確保しやすくなります。
効果2:長期的な利益を生み出す
顧客がそのブランドを気に入れば、リピーターとして長期的に利用してくれるようになります。また、リピーターが口コミや高評価を付けて、それを見た新規顧客の印象(情緒的価値)が高まるというような好循環も生まれます。
効果3:従業員を採用しやすくなる
ブランド力は顧客に対する効果だけではありません。
「ここで働けることが誇らしい」
「あのカフェで働いてみたい」
このような効果をインナーブランディングと呼びます。
例えばスターバックス。
スターバックスの魅力は快適な空間やコーヒーの美味しさだけではありません。スターバックスには信念や明確なビジョンがあります。それに共感する多くの人々が、消費者だけでなく従業員も自然と集まるのです。
こんな会社はブランディングが有効です
先にブランディングは有名企業や高級ブランドだけのものではないと解説しました。
では 特にブランディングが有効なのはどんな会社なのか?について解説していきます。
大まかにいうと以下の2つのパターンがあります。
- 小さな会社
- 差別化が難しい業種

それでは解説していきます。
Case1:小さな会社
大企業との価格競争(機能的価値)で勝てなくても、ブランド力を高めることで選ばれる理由になります。つまりブランディングに尖りを出しやすい小さな会社の方が、顧客に刺さる訴求ができます。
また、顧客ニーズの変化を捉えてすぐに行動できるという観点からも、意思決定が速い小さな会社の方が有利です。
Case2:差別化しづらい業種
そもそも差別化が難しい業種もあります。例えば、システム開発の会社や歯科医、土木業、コンサル業、農業、税理士、弁護士など、ライバルと明確に差別化を打ち出せない業種や、成果を数値で表現しづらいような業種はブランド力の点でライバルと差別化をはかれます。
- 特にブランディングが有効なのは「小さな会社」と「差別化しづらい業種」
- 小さな会社は尖りを出しやすい
- 差別化が難しい業種はブランド力で差別化できる
ブランド力を高めるために意識する3つのポイント
最後にブランディングを高めるために重要なポイントを紹介してきます。
それは以下の3つです。
- 信念
- 特定層
- 一貫性
それぞれ解説していきます。

ポイント1:『信念』
強いブランド力がある会社には、顧客が共感する強い信念があります。おしゃれでもカッコイイものではなく、そのブランドがなんのために存在するのか、どんなミッションを果たすのかを明確に示すことで、顧客が共感するブランドになります。
ポイント2:『特定層』
ブランドに尖りを出すことで、特定の層に深く刺さるようにします。

顧客に深く刺さることで共感が生まれ、ブランド力が高まります。
また、特定層を絞り込むことを嫌う大企業にも局地戦で勝つことが可能になります。
市場にニーズがあるのか、ライバルと差別化できるのか、どのくらい絞り込むのかなどは、しっかりとした調査が必要です
ポイント3:『一貫性』
人と人との関係も同じですが、そのときどきで言動が違う人は信用されません。それは法人にも同じことが言えます。
例えば、CMでは「親切・丁寧」をうたっていても、店員の接客がぶっきら棒だったら、信用を落としてしまいますよね。
このような接客態度だけではなく、SNSの発信やデザイン性の統一などあらゆる事業活動に一貫性を持たせることで、ブランド力を高めます。

ちなみにロゴデザインはこれら3つすべてにおいてとても重要な役割を担っていますよ!
まとめ
ということで、この記事ではブランディングとは何なのかについてなるべく分かりやすいように図解で解説してきました。
この記事をざっくりまとめます。
- ブランディングとは会社や商品などのイメージを戦略的に設計していく施策のこと
- ブランド力を高めることで、他社より有利な事業活動ができる
- 小さな会社や差別化が難しい業種こそブランディングは有効
- ブランディングで重要なのは「信念」「特定層」「一貫性」
具体的な方法論については、専門家のマーケティング企業の解説が参考になるはずですので、そちらを参考にしてください。
ボクの本業でもあるロゴデザインとブランディングとの関連性については、また別の記事で解説しようと思います。
ではまた!