全国にいるデザイナーへ依頼したい非デザイナーの皆さま。こんにちは。
フリーランスデザイナーの井上カツオ(@katsuologo)です。
先日、Twitterでこんなつぶやきを投稿しました。
ロゴの「ファイル形式」のまとめを作りました〜😄
— カツオ / ロゴデザイナー (@katsuologo) September 2, 2021
・どんな形式で納品されるの?
・それぞれどんな特徴があるの?
・「PNG」って何て呼ぶの?
そんな疑問にお答えします😀
デザイナーへ依頼する前に知っておくと安心ですね👍 pic.twitter.com/bvv71egl71
デザイン業界以外の法人様との取引が多いボクの場合、なるべく専門用語は使わないように注意していますが、それでも絶対に避けられない用語も存在します。
その一つがファイル形式です。
デザインに関するファイルの知識が無いと、ロゴを納品した後に、
- 「印刷会社に向けてどのファイル形式を送れば良いの?」
- 「ホームページに貼り付けたけど、背景が白くてダサい」
- 「デザイナーに元ファイルを要求したら追加料金を請求された」
というような問題が起こってしまいます。
この記事ではロゴのファイルを扱うために必要な用語を分かりやすく解説をしていきます。
目次
結論:こんな時はどれを選ぶべき?シチュエーション別に解説!
今すぐ問題を解決したい方のために、まずはQ&A形式でシチュエーション別に解説していきます。
Q.名刺(チラシ)を作るために、印刷会社へロゴファイルを送りたい
A.AIファイルのCMYKモードを使用してください。
Q.自社ホームページでロゴを使いたい
A.PNGファイルをご使用ください。
Q.社内PCでロゴを比較検討したい
A.JPGファイルをご使用ください。
Q.ロゴファイルを編集したい
A.ロゴの編集を行うには著作者の許可が必要になりますので、まずは著作者へご確認ください。
今すぐに解決したい方のために解説Q&Aで解説しました!
この下からはそれぞれのファイルについて詳しく解説していきます。
ファイル形式の種類
まずはロゴで扱うファイルを解説していきます。
ロゴで扱うファイルには、4つのファイル形式と2つのカラーモードがあります。

ファイル形式は以下の4種類です。
- AIファイル
- JPEGファイル
- PNGファイル
- SVGファイル
カラーモードは以下の2種類です。
- RGBモード
- CMYKモード
見た目は似ているのですが、それぞれの形式には特徴が有り扱い方も異なりますので解説していきます。
ファイルとは形式の特徴を比較
まずはそれぞれの比較表をご覧ください。

ちょっとよく分からないですよね(汗
それぞれ解説していきます。

この画像のようにロゴデザインで扱うファイルには大きく分けて2種類があります。
それがこの2つです。
- 画像データ(上画像の右側)
- ベクターデータ(上画像の左側)
画像データ(上画像の右側)
画像データとは画素(ピクセル)の集合体によって構成されたデータです。
デジタルカメラやスマホのカメラ性能で「500万画素数」などという言葉が使われますが、これはこの画素の数を表しています。
画素が多い = 拡大してもギザギザしにくい = 高性能
画像データは画素の数を増やすことででなめらかに見せていますが、中身は点の集まりです。画像データは拡大すればするほどギザギザしていきます。
ベクターデータ(上画像の左側)
もう一方のベクターデータとは画素の概念がありません。いくつかの点の座標が記録されており、計算の中で線が引いてあるイメージです。拡大しても座標の位置関係は変わりません。つまりベクターデータはどれだけ拡大してもギザギザしないという特徴があります。
ロゴデザインはもともと「ベクターデータ」で作られます。ただ、使用用途によってはこの大元データは使えないことがあるので、いくつかのファイル形式に変換して納品するわけです。
AIファイルとは
ほぼすべてのロゴデザインはAdobe社が提供しているイラストレーターというソフトで作られています。つまりAIファイルが元のデータです。「AI」は「エーアイ」と呼びます。「xxx.ai」というファイルがイラストレーターで作られたファイルです。AIファイルは他の画像ファイルと違って、どれだけ拡大してもギザギザ荒くならないのが特徴です。
- 印刷会社にロゴファイルを送りたい
- ロゴのファイルを編集したい
このような時に使用するファイルです。
Adobe Illustratorがインストールされたパソコンでなければ開くことはできませんのでご注意ください!
また「AIファイルはお渡ししない」もしくは「別料金」というデザイナーさんや制作会社も多いです。重要なものなので依頼前には必ずAIファイルを納品してもらえるかを確認しましょう。
カラーモードについて
AIファイルには2種類のカラーモードが存在します。
- RGB = ホームページなどデジタル上で使用する
- CMYK = 印刷物などインク描写で使用する

カラーモードを知らずに手配すると、想定していた色にならない場合がありますので注意してください。
RGBモードとは
RGBは色が混ざるほどに明るくなる加法混色であり、すべての色が重なる部分は白になります。RGBという呼び名はRed(赤)、Green(緑)、Blue(青)の頭文字から取られており、その名の通り、RGBを構成する色は赤、緑、青で、この3色は「光の三原色」と呼ばれています。
RGBモードはテレビやパソコンなど画面上で使う発色方式
CMYKモードとは
色料の三原色であるCMYは色が混ざるほど暗くなる減法混色であり、すべての色が重なる部分は黒になりますが、実際にはCMYのインクだけできれいな黒色を再現するのが難しいため、黒をプラスしています。
CMYKモードは名刺やチラシといった印刷物で使う発色形式
JPG ファイルとは
一般的な画像ファイルです。「JPG」は「ジェイペグ」と読みます。拡張子は「xxx.jpg」もしくは「xxx.jpeg」というファイルです。こちらは拡大するとギザギザ荒くなってしまうのが注意点ですが、軽量のファイルなので、ホームページの写真などで使われているファイルになります。広く普及しているため、あらゆる画像ソフトでファイルを開くことができます。一般的な画像ファイルですが、ロゴファイルとしてはあまり使い道はありません。
ロゴファイルとして不向きな理由
- 拡大できない
- 背景を透明にできない
一般的な画像ファイルだけど、背景が透明にできないのでロゴには不向き
PNG ファイルとは

JPGと同じく、一般的な画像ファイルです。「ピング」と呼びます。拡張子は「xxx.png」です。基本的な特徴はJPGと変わらないのですが、最大の特徴は「背景を透明にできる」という点です。逆にJPEGには透明という概念が無いので白くなってしまいます。なので、JPGよりもPNG形式でホームページ上で使用されることが多いです。
- JPEG = 写真向け
- PNG = ロゴやボタンなどパーツ向け
このような認識でOKです。
おまけ:SVG ファイルとは
これは最近になって使われるようになってきたファイル形式です。「エスブイジー」と呼びます。拡張子は「xxx.svg」というファイル。イラストレーターと同じように拡大してもギザギザしないのが特徴で、ファイルの容量も小さいため、ホームページで使用するロゴなどはSVGで作られることが増えてきました。
ただし、複雑なデータになると、ホームページ上での表示速度が遅くなるので注意が必要です。
SVGファイルは一部のブラウザではうまく表示されなかったり、複雑なデータだと逆に表示速度が遅くなるなど、やや扱いにクセがあるため、WEBの知識をお持ちでなければPNGファイルを使用することをオススメします。
まとめ
これら4つがロゴに関連したファイル形式です。いかがだったでしょうか?
聞き慣れない言葉ばかりかもしれませんが、大まかなイメージは掴めたのではないでしょうか?ロゴを依頼する間には、納品してもらえるファイル形式の内容を確認すること。そして、納品後は印刷会社などに適切なファイル形式をお渡しすること。その2点を注意することでトラブルを未然に防ぐことができます。